豹変、むしろ変身?

CHRONICLE(DVD付)

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驚いた…。
あまりに鮮烈で凶暴な音。
前作までとはまるで異を成す、フジ史上唯一無二のアルバムかと。


今回のアルバムは、誰かの個人的な心情を赤裸々に吐露したかのような内容。
変態系や意味不明系(どちらも褒め言葉です)の楽曲は、ほぼ完全に、と言っていい程、ナリを潜めてます。
変わりに出現したのは、超絶なバンド・サウンド
ごく普遍的な、十代の青春を歌った前作「TEENAGER」とは特に違います。180度違います。
「何だか苦しそうだなぁ」というのを、漠然とですが感じます。


志村さんは某誌のインタビューにて語られてました。
「このアルバムは出し切った感がある。これが認められなかったら、もうどうでもいい」といった内容を。
バンドの存続すら懸けた渡欧だったようです。
その覚悟と言うか悲壮感というか…、意気込みは痛いほど感じられました。


前作までの楽曲が好きな方には受け入れ難い変化かも…。
まるで別のバンドみたいなサウンドに聴こえてしまうかも知れないですし。
「芯の所は変えてない」とは志村さんの弁ですが。


私個人としては、目まぐるしく七変化する姿こそがフジファブリックの本領だと思っております。
引き出しの多さを見せてくれた意欲作、と感じました。