「美しき欲望」
- アーティスト: ACIDMAN
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2009/07/29
- メディア: CD
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綺麗で儚い、というのが印象。
曲調は比較的明るいものが多いのですが、どこかもの悲しい雰囲気が全体から伝わってくるような。
ジャケット裏面や歌詞カードにある壁画。
どこかの太古の民族が残したものなのか、今回のアルバム用に創作されたものなのかは分かりかねます。
これらの壁画に対し、個人的にはグッとくるものがあると言いますか。
この壁画を遥か昔に描いた人達は、ある種の「欲望」を抱いていたような気がして。
「私達は、確かにここに存在していた」という証明を、残したいという欲望。
それが民族単位のものだったのか、個人的な感情だったのかは、今となっては知る由もないでしょう。
この地球に生まれた生命は、皆が似たようなものを抱えているような気がして。
いつか消え逝く運命にあったとしても、消えてしまいたくないという欲望。
皆同じ運命にあるのならば、いっそ全て溶け合ってひとつになってしまいという欲望。
消えてしまうのなら、せめてそこに何か、自信の存在の証明を刻み付けたいという欲望。
そんな「欲望」も、全宇宙の巨大さを考慮した場合、ひどく小さなもので。
だからこそ、それらは美しい。その儚さ故に。
欲望とも祈りとも言えそうな、諸々の感情。
それらが、ここに描かれていると思います。
かつてのACIDMANと毛色が違う感じがするというのは否めません。
ですが、私的には本当に素晴らしいアルバムです。おススメします。